東アジアで極度の寒波が猛威、これが「新たな標準」と専門家

香港（ＣＮＮ） 東アジアに暮らす数千万人が２５日、厳しい寒波に直面した。氷点下の気温と大雪で中国の旧正月（春節）の移動は大混乱に見舞われた。気候の専門家は、こうした極端な天気事象が既に「新たな標準」になったと警告を発している。

今週豪雪警報を発令した韓国では、首都ソウルでの気温が零下１５度にまで低下。他の都市でも過去最低の気温を記録した。当局が明らかにした。

人気の観光地、済州島では荒天のため航空機数百便が欠航。当局によると高波の影響で客船も出港できない状態となった。北極からの寒気がロシアや中国を通過して韓国に直接到達したと、同国気象局の報道官はＣＮＮに説明。その上で、今回の極端な天候は気候変動の兆候の一つとみなし得ると述べた。

高波が打ち付ける韓国・済州島＝２４日/Yonhap News Agency/Reuters

北朝鮮の首都平壌でも、当局が極端な気象条件への警戒を呼び掛けた。地域によっては気温が零下３０度以下に下がると予想されている。国営メディアが報じた。

日本では２４日から２５日にかけ、大雪と強風による視界不良で国内線数百便が欠航した。大手航空会社の日本航空と全日本空輸を合わせたキャンセルは２２９便に達した。

北海道の小樽では温度計の表示の前で記念撮影＝２４日/Stringer/JIJI Press/AFP/Getty Images

またＪＲ東日本によると、山形新幹線は福島―新庄駅間で２５日、終日運転を取り止めた。

中国最北端に位置する黒竜江省漠河市では２２日、零下５３度の史上最低気温を観測した。

米大気研究センター（ＮＣＡＲ）に所属するケビン・トレンバース氏は、「極端な天気事象が新たな標準になっている」と指摘。「確実に予測できるのは、気候の極端化はこれまで以上に悪化するということだ」と述べた。

同氏はまた、エルニーニョ現象やラニーニャ現象といった太平洋の気候パターンが世界の気象に影響を及ぼしているとも付け加えた。世界的な気温の低下をもたらすとされるラニーニャ現象は、現行の寒波の一因になっているという。