日本の人口危機、反転へ「待ったなし」 岸田首相が施政方針演説で表明

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日本の国旗が飾られた銀座の目抜き通りを歩く人々=昨年12月29日撮影/Richard A. Brooks/AFP/Getty Images

日本の国旗が飾られた銀座の目抜き通りを歩く人々=昨年12月29日撮影/Richard A. Brooks/AFP/Getty Images

東京(CNN) 岸田文雄首相は23日の施政方針演説で、日本の人口危機について差し迫った警告を発した。「社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際」まで出生率が低下しているとの見方を示した。

人口問題への対応を「待ったなしの先送りの許されない課題」とした岸田氏は、「我が国の経済社会の持続性と包摂性を考える上で、最重要政策と位置付けているのが子ども・子育て政策」だと強調した。

その上で、子どもに関連するプログラムへの予算を2倍にする意向を表明。4月には「こども家庭庁」を新設してこの問題に注力するとした。

日本の出生率は世界で最も低い部類に入る。厚生労働省は昨年の出生数について、記録を取り始めた1899年以来最低となる80万人未満になると予測する。

一方で平均余命は世界で最も高い水準にあり、政府統計によれば2020年は国民の1500人に約1人が100歳以上だった。

こうした傾向によって人口危機は加速している。急速に高齢化する社会で労働力は縮小。若年層の数が不足し、停滞する経済のギャップを埋めることができない。

専門家らは出生率の低い要因として、高額な生活費や都市部での子育て支援の不足などを挙げる。結婚や子どもを産むことに対する考え方にも近年変化が生まれており、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の期間中はそれらを先延ばしにするカップルが増えた。

また若者の間に将来への悲観的な見方が広がっていると指摘する声もある。若年層の多くは仕事の圧力や不況による不満を抱えているという。

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