傭兵会社ワグネルの共同墓地、急速に拡大 衛星画像で判明
(CNN) ロシア国内にある村の近郊を捉えた衛星画像から、民間軍事会社ワグネルの傭兵(ようへい)を埋葬した共同墓地が急拡大していることが明らかになった。ワグネルはウクライナでの戦争に深く関与している。
SNS上では昨年12月の段階で、ロシア南部クラスノダール地方のバキンスカヤ村近郊に出現した数列の墓の写真が出回り始めていた。今年1月2日には、ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏が現地を訪れ、墓のひとつに献花する様子も国営RIAノーボスチ通信で報じられた。
RIAノーボスチによると、プリゴジン氏は「この場所には遺書でここへの埋葬を希望した戦闘員が埋められている」と説明。孤児や、何らかの理由で親族が受け取りを拒んだ遺体も埋葬されているという。
米宇宙企業マクサー・テクノロジーズが昨年11月24日に撮影した衛星画像には、新たな区画に建てられた3列の墓が写っている。今年1月24日に撮影されたマクサーの別の衛星画像を見ると、その後さらに14列の墓が追加され、この区画はほぼ満杯になっている。
米シンクタンク「戦争研究所」によると、衛星画像に写ったバキンスカヤの共同墓地と近郊の別の墓地には合わせて、約1000人のワグネル兵が埋葬されている可能性がある。
ワグネルの戦闘員はウクライナで長期にわたる消耗戦を続けており、ソレダルを制圧後、現在はバフムートや周辺の村への攻撃を行っている。ウクライナの当局者によると、ワグネルはウクライナの陣地に向けて歩兵を一斉突撃させ甚大な損失を被っているとされる。