ロシア、今春の攻勢を前に損失の補填に苦慮 西側当局者
(CNN) ロシアは、兵力比や装備、兵站(へいたん)に対する支援が限定的なため、今春に始まるとみられている攻勢で、戦略的な成功を収める可能性は低い――。西側当局者がそんな見通しを明らかにした。
当局者によれば、こうした制約は、ロシアが攻勢をかけようとすることを妨げることはないものの、現時点での戦況を変える能力は限定されるという。
当局者は、ロシア政府が、失われた人員や装備の補填(ほてん)に苦慮しているとの見方を示した。
ウクライナで被った損失を埋め合わせるためには能力に制約があるため、国外のパートナーに接触してギャップを埋めようとしているという。
当局者は、ロシアもウクライナも根本的には、どちらが兵器の供給を維持できるかという「競争」になっているとの見方を示す。
ロシア政府の現在の攻撃については、既存の人員と装備を現地に配備することに重点が置かれていると指摘。攻撃的な行動を目撃したとしても、大きな戦略的な観点からの攻勢が始まったとは考えられないという。動員された数十万人の予備兵が、大規模な攻勢や軍事作戦が実行可能な団結した陣形を形成するとは考えにくいとした。
当局者は、ロシアが隣国のベラルーシを使って今後数カ月内に攻撃を行うとの見方について疑問を呈した。
当局者によれば、ベラルーシは、ロシア軍にとって有用な訓練場を提供している。ロシアはベラルーシに訓練を外部委託し、そこからウクライナの前線へ人員を送り込んでいる。ロシア軍がベラルーシに駐留しているのは目にしているものの、国境に配備された様子はなく、現時点ではウクライナを脅かすような兵站能力はないという。
しかし、ロシア軍が存在することで、ウクライナは、潜在的な危険性を抑え込むため、その方面に部隊を駐留させることになると指摘。ただ、当局者は、ベラルーシが今後数カ月の間に侵攻の中心となる可能性は「きわめて低い」と強調した。