フィリピン沿岸警備隊、レーザー照射で中国船を非難
香港(CNN) フィリピンの沿岸警備隊は、南シナ海のフィリピンや中国が領有権を主張する海域で先週、中国の沿岸警備隊の船舶がフィリピンの乗員に対して「軍事級」のレーザーを照射したため、乗組員が一時的に視力を失うなどしたと非難した。
フィリピン沿岸警備隊の公式フェイスブックへの投稿によれば、中国船は150ヤード(137メートル)以内に接近した際にも危険な行動を取ったという。フィリピン沿岸警備隊は、レーザーの緑色の光線だとする写真も投稿した。
CNNは中国側にコメントを求めたが、返答はない。
フィリピン沿岸警備隊によると中国船は接近の際も危険な行動を取ったという/Philippine Coast Guard
事案はスプラトリー諸島で発生したという/Philippine Coast Guard
レーザー照射が行われたのは今月6日で、場所は南沙(スプラトリー)諸島のアユンギン礁の近く。
中国は、約336万平方キロにおよぶ南シナ海のほぼ全てに対して「疑う余地のない主権」を主張しており、南沙諸島もその中に含まれている。南沙諸島に対しては、その全域あるいは一部について、フィリピンやマレーシア、ブルネイ、台湾も領有権を主張している。
フィリピン側の説明によれば、今月6日の事案では、フィリピンの船舶が座礁した軍艦への補給任務を行っていたところ、中国船から挑発を受けた。軍要員に食料や物資を届けるフィリピン政府の船舶に対して意図的に妨害を行うことは、西フィリピン海の今回の海域におけるフィリピンの主権をあからさまに無視し、明確に侵害するものだとした。
フィリピンはこの海域を西フィリピン海と呼び、1999年に意図的に海軍の輸送船を座礁させた。現在も主権の行使を目的として、座礁船に人員を滞在させている。