G20外相会合、インドの外交力試される 米中ロの外相との会談も
モディ氏は「この数年間の経験、金融危機、気候変動、パンデミック(世界的大流行)、テロリズム、戦争は、世界の統治が機能していないことを明確に示している」と発言。「我々はこうした機能不全の悲劇的結果を最も真に受けているのが途上国だという事実を認める必要がある」と続け、富裕国が引き起こした世界の温暖化の影響が特に深刻だと指摘した。
また、ウクライナでの戦争を念頭に、戦争行為が「深い世界的分断」を生んでいると認めた上で、「解決できない問題が解決できる問題の邪魔になることを許してはならない」と語り、相違を超えて協議を進めるよう各国外相に呼びかけた。
専門家は、インドが会議をまとめていく取り組みは、ウクライナ侵攻での分断で困難なものになっていると指摘する。
各国の立場の違いは先月の財務相・中央銀行総裁会議でも表面化。ロシアによる侵攻を批判する共同宣言の採択にロシアと中国は同意せず、結局議長国のインドが会議の概要と意見の相違を記した「議長総括」を出すにとどまった。
インドはこれまでロシアと西側の双方へのつながりを巧みにバランスを取りながら維持してきた。だがウクライナ侵攻が2年目に入る中、ロシアにさらに強硬な姿勢をとるよう、インドを含む国々への圧力は高まっている。