バフムートの状況は「複雑」、ウクライナ軍撤退の兆候なし 親ロ派勢力
(CNN) ウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派勢力が名乗る「ドネツク人民共和国」のトップ、デニス・プシリン氏は要衝バフムートの戦況に触れ、状況は依然として「複雑」であり、ウクライナ軍が撤退する兆候は見られないとの認識を示した。
ロシア国営RIAノーボスチ通信が16日、プシリン氏の発言を伝えた。
プシリン氏によれば、バフムートに通じるウクライナ軍の唯一の道は、これまで以上に民間軍事会社ワグネルの射撃管制下にある。このため、ウクライナ側が弾薬や食料、増援部隊を輸送するのは極めて困難だという。
ウクライナ軍第93独立機械化旅団の報道官は同日、地元テレビに対し「(バフムートに入る)道路はここ2週間、難しい状況にあり、兵站(へいたん)が複雑化している」と明らかにした。
バフムート中心部はウクライナ軍が押さえているものの、報道官らがいる前線の一部は絶えずロシアの砲撃を受けているという。
ワグネルの部隊はここ1週間、バフムート市内や周辺部で限定的な戦果しか挙げていない。
ワグネルのトップ、エフゲニー・プリゴジン氏は15日、弾薬不足や市周辺部での激しい戦闘に言及し、指揮下の戦闘員がバフムートの北西8キロに位置する小集落を奪取したと主張した。
米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は「バフムートを巡る戦闘で人員や火砲、装備が失われたことで、ワグネルがバフムートを緊密に包囲したり、都市部の戦闘で大きな戦果を挙げたりする能力は限られる可能性が大きい」との見方を示した。