前線でのロシア軍攻撃、1月以降で最低水準 戦力衰退か
(CNN) 英国防省は17日、ウクライナの前線全体でのロシア軍の攻撃回数が少なくとも今年1月以降、最も低い水準に落ち込んだとの最新の戦況評価を示した。
ただ、ウクライナ東部ドネツク州バフムートでは激戦が続いており、ロシア軍と同国の民間軍事企業「ワグネル」の部隊が同市中心部を流れるバフムート川の西岸で足場を固めたと分析。
ロシア軍の進撃が少なくなっている背景要因として、「局地的な攻勢を続けられないほど現場の部隊の戦闘能力が一時的に衰退している可能性がある」と指摘した。
ウクライナ政府当局者や他の軍事アナリストらもまた、ロシア軍による砲撃、ロケット弾攻撃や空爆は続行されているものの、その回数はここ数週間減っていると説明している。
ウクライナ軍のドミトラシキフスキー報道担当者は15日、ロシア軍の地上攻撃は1日あたり90~100回から20~29回に縮小したと説明。人員や装備で相当な損失を被り戦力を幾分(いくぶん)失ったと見立てた。また、ロシア軍による兵器の使用も目立って減り、特に夜間に顕著だと続けた。
米国のシンクタンク「戦争研究所」も最近、ウクライナ内でのロシア軍の作戦遂行の進み具合も以前の数週間に比べ遅くなっているとみられると報告していた。
一方、バフムートでの戦闘に加わるウクライナ軍兵士は17日、ロシア軍の一部には疲弊感がみられると同国国営放送に証言した。
「敵側の先週の攻撃の強度はすさまじく、兵士を死なせるためかのように我々の陣地へ突撃させてきた」と説明。「激戦の最たるもののような状況が生まれたが、この交戦が敵を消耗させた」とし、「16日あるいは17日夜の時点で砲撃の激しさは減じた」と伝えた。