爆死の軍事ブロガーはウクライナ生まれ、侵攻を熱烈に支持
ロシアの作戦に批判も
タタルスキー氏はロシアの侵攻を熱烈に支持する一方、作戦の進め方に批判的な立場を取ることもあった。こうした軍事ブロガーは少数だが、その影響力は大きい。
昨年の投稿では、惨たんたる結果に終わったドネツク州での渡河作戦を率いた指揮官を非難。「1個大隊戦術群を無駄にした『軍事的天才』の名前を割り出し、公に責任を取らせるまで、ロシア軍の改革は成就しない」と書き込んだ。
その後、タタルスキー氏はCNNの取材に、ロシア大統領府の言う「特別軍事作戦」全体を批判しているわけではなく、「個々のエピソード」を批判しているだけだと説明。ロシアがウクライナで目標を達成すると今でも信じていると述べ、「私個人としても、そのための努力を惜しまない」と言い添えた。
一方で、タタルスキー氏は幅広い改革も要求していた。
「すべての分野で改善が必要だ」「あらゆる戦争は欠点や短所、現代の現実に即す必要のある誤った経験をあらわにする。あらゆる領域で絶対、改革が必要だ」というのが持論だった。
タタルスキー氏は、昨年11月にロシア軍がヘルソン州の一部から撤退したことについても批判的だった。
最近では、民間軍事会社ワグネルや同社によるバフムート攻勢への支持を表明。
殺害の数時間前には、ワグネルの採用広告の写真を見せながらコメントを投稿し、「こういう屋外広告を目にできていい気分だ」と述べていた。
タタルスキー氏の死後、ワグネルのトップを務めるエフゲニー・プリゴジン氏はバフムートで撮影したとされる短い動画を作製した。テレグラムに投稿したその動画で、プリゴジン氏は「ウラドレン・タタルスキーの良き思い出にささぐ」との言葉を記したロシア国旗を掲げていると主張した。