チベット亡命政府首相、動画拡散で謝罪のダライ・ラマを擁護
(CNN) チベット亡命政府のペンパ・ツェリン首相は13日、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(87)が動画の中で男の子の唇にキスして「私の舌を吸いなさい」と誘ったことについて、これを擁護する見方を示した。
インド首都ニューデリーでのイベントで、記者団に対して述べた。ツェリン氏はダライ・ラマの行動について「罪のないもの」であり、誤解されていると説明。動画が物議を醸したことで、ダライ・ラマの信奉者たちは「傷ついている」と付け加えた。
同氏によれば、ダライ・ラマの聖性は常にその高潔さと共にある。それは仏教徒としての生き方を追求することに由来し、そこには禁欲も含まれる。長年にわたる精神の訓練により、本人は感覚的な快楽を超えた存在になっているという。
ダライ・ラマは10日、当該の動画について謝罪した。動画はソーシャルメディアで拡散し、世界中から児童虐待の非難を含む批判の声が上がる事態となっていた。
ツェリン氏は内部調査の結果として、動画拡散の背後に「親中派の人物」がいた可能性を主張したものの、具体的な証拠は示さなかった。
「この件に隠された政治的な動機は無視できない」(ツェリン氏)
ダライ・ラマの支持者の中からは、動画の行動について、西欧の目を通した誤解があるとの指摘も出ている。
チベットに亡命した活動家の一人は、10日にツイッターで「感情や礼節の表現は今日、一つに溶け合ってしまい、目に見えて西洋化している」と投稿。「ジェンダーやセクシュアリティーを巡り、別の文化や慣習、社会的影響の言説を持ち込んでチベットの表現様式を解釈しようとするのは恥ずべきことだ」と主張した。