ジョギング中の男性襲い死亡させた雌のクマ、「死刑執行」が延期に 伊

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男性を襲い死亡させたクマの殺処分が動物保護団体の訴えを受けて延期された/Trento Provincial Press Office

男性を襲い死亡させたクマの殺処分が動物保護団体の訴えを受けて延期された/Trento Provincial Press Office

(CNN) イタリアでジョギング中の男性を襲い死亡させたとして「死刑判決」を受けていた雌のクマ1頭に対し、「刑の執行」を5月11日まで延期する判断が下された。

このクマは先週、伊北部トレンティノアルト・アディジェ州にある自然保護区をジョギングしていた26歳の男性を襲って死亡させていた。

同州トレントの裁判所が出した上記の延期命令は、複数の野生動物保護団体が提出した訴えに答えたもの。これらの団体は裁判所への請願で、「JJ4」と名付けられた当該の17歳の雌グマを守るよう求めた。

団体はウェブサイト上の声明でJJ4の殺処分命令について、どちらかといえばクマに対する復讐を念頭に置いた行為に思えると指摘。人間とクマの安全な共存を探る上での効果は比較的薄いとの考えを示唆した。

またJJ4は最近子グマを生んでおり、攻撃的な行動は子グマに対する脅威を感じたことと関連している可能性があるとも述べた。

当局は男性の遺体の近くで採取したクマの排泄(はいせつ)物や体液の遺伝子情報から、襲ったクマをJJ4と特定。これを受け、地元のフガッティ知事が4月12日、殺処分を命令する書類に署名していた。今回の裁判所の判断を受け、同知事は5月11日までに上訴する必要がある。

JJ4の親グマは、欧州連合(EU)が資金を拠出するプロジェクトの一環でスロベニアから持ち込まれた。プロジェクトは1996年から2004年にかけ、トレンティノアルト・アディジェ州に再びクマを生息させる目的で実施されたもの。

JJ4は20年にも、別の父子を襲って殺処分を言い渡されていた。この時も裁判所は殺処分の実施を見送り、JJ4の体に GPS(全地球測位システム)の監視端末をつけることで対応した。端末のデータは位置情報として転送され、地元のウェブサイトがこれを掲載する仕組みだったが、先週男性が襲われた数日前には端末がバッテリー切れになっていた。

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