クリミアの火災、黒海艦隊用のタンク多数破壊か ウクライナ軍
(CNN) ウクライナ軍情報総局当局者は29日、ロシアの占領下にあるウクライナ南部クリミア半島の都市セバストポリで同日起きた大規模な火災に触れ、石油製品が入ったタンクの10基以上が破壊されたと述べた。
これらタンクの総容量は約4万トンとした。同情報総局のユーソフ報道担当者は地元メディアとの会見で、この石油製品はロシアの黒海艦隊が使用するものだったと指摘した。
ウクライナによる攻撃だとは認めなかった。CNNは、燃料貯蔵施設の損害規模などについて独自に確認できていない。
ロシア国防省はこの火災についてのコメントをまだ出していない。セバストポリは黒海艦隊の主要基地ともなっている。
ただ、ロシアが「セバストポリ市長」に任命したラズボジャエフ氏は、火災は鎮火したとし、出火の原因はドローン(無人機)による攻撃だったと主張した。
ドローン1機が石油貯蔵施設に命中し、別の1機は撃墜されたとした。タンク4基に被害が出たが、負傷者はいなかったとも述べた。火災がセバストポリ内の燃料の供給に影響を与えることはないとも話した。
ユーソフ報道担当者は、火災はドローン攻撃によるものとし、「神の罰だ」とも形容。特にロシア軍によるアパートへのミサイル攻撃で多くの犠牲者が28日に出た中部の都市ウマニの住民のために科された罰だと述べた。
同報道担当者は、クリミアの住民全員に対し軍事施設や侵略者の軍への補給施設には近い将来、近づかない方が良いとも警告した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は29日に発表された会見内容で、同国は反転攻勢を準備しているとしたがその時期に触れることは拒んだ。同氏はこれまでクリミア半島の奪還を再三宣言している。ロシアは2014年に同半島を一方的に併合していた。