ワグネルのバフムート撤退、「転換点」となる可能性 ウクライナ軍報道官
(CNN) ウクライナ軍の報道官は6日までに、ロシアの民間軍事会社ワグネルが10日にウクライナ東部バフムートから撤退する方針を決めたことに言及し、同市を巡る戦闘の「転換点」になりうるとの認識を示した。
ウクライナ軍東部方面部隊のチェレバティ報道官はCNNに対し、「彼らが論理を変えず、補給に成功しなかった場合、バフムートを巡る戦闘の転換点と考えることができるかもしれない」と説明。ワグネルはバフムート攻防の主要部隊であり、ここ9カ月、ほとんどの期間で戦闘を一手に引き受けていたと指摘した。
ワグネルのトップ、エフゲニー・プリゴジン氏は5日、SNSテレグラムへの投稿で戦闘員に多くの死傷者が出ていることに触れ、あと5日でバフムートから撤退すると表明した。十分な弾薬を供給しなかったロシア国防当局の既得権益層に責任があると主張し、正規軍の参戦を求めている。
ただ、チェレバティ氏はワグネルが「信じがたい損耗」を出した理由について、「絶えず肉弾攻撃を仕掛けるという愚かな行動」が原因だと分析。プリゴジン氏が撤退を望んでいるのは、バフムートを巡る戦闘でワグネルが壊滅に近い状態に追い込まれているからだとの見方を示した。
「ワグネルの損耗が現在の1日100人を超えるペースで続いた場合、人員を補充する方途はなくなる。ワグネルはバフムート近郊で壊滅する」としている。
チェレバティ氏はまた、戦闘員の弾薬不足についてプリゴジン氏が「うそ」をついているとも主張。
「弾薬の枯渇は起きていない」「過去1日だけでバフムート一帯の我々の陣地に対してロケット砲攻撃が520回、航空攻撃が6回行われた」と指摘し、「彼は単に戦場から撤退する理由を探しているのだと思う。ワグネルは大きな損耗を被り、任務を遂行できず、人員の補充もままならない状況にある」と述べた。