「ロシアが海底ケーブル狙う懸念高まる」 NATO高官
(CNN) 北大西洋条約機構(NATO)のキャトラー事務総長補佐は3日、ウクライナでの戦争の一環としてロシアが海底インターネットケーブルなど同盟国の重要なインフラを標的にするかもしれないという「持続的で重大なリスク」があるとの考えを示した。
情報・安全保障担当のキャトラー氏は「ロシアが西側諸国の生活を混乱させ、ウクライナを支援している国々に対する影響力を手に入れようと、海底ケーブルなど重要なインフラを標的にするかもしれないという懸念が高まっている」と記者団に語った。
同氏によると、国際的なインターネットトラフィックの95%超が約400本の海底ケーブルを通じて伝送されている。これらのケーブルは「毎日、推定10兆ドル(約1340兆円)相当の金融取引に使われている」とした上で、ケーブルは「経済の要」だと指摘した。
また、ロシアがケーブルを「積極的にマッピング」している一方で、「中国も海底に関して大きな動きを取っている」という。中国は「他国の脆弱(ぜいじゃく)性を広範に試すのではなく、自前の海底インフラを築く方向で動いている」と説明した。
NATO加盟国は状況を注視しているという。キャトラー氏は「これは真に全体的であらゆる方面や領域に関わる脅威だ。脅威を明確に浮かび上がらせるために、民間部門、NATO、加盟国の相互協力が本当に重要だ」と述べた。