戴冠式当日の反王室活動家逮捕、ロンドン警視庁が「遺憾」表明 英
ロンドン(CNN) 英ロンドン警視庁はこのほど、チャールズ国王の戴冠(たいかん)式が行われた6日に反王室を訴える活動家を逮捕した件について、「遺憾」の意を表明した。
デモは英国最大の反王室団体「リパブリック(共和国)」が主導した。警察の強硬な対応を批判する声が多く上がるなか、ロンドン警視庁は当初、逮捕の判断を擁護していた。
警察は戴冠式当日に64人を逮捕。警察によると、この中には反王室を訴えるデモの参加者6人も含まれる。6人はすでに釈放されており、これ以上の処分は受けない見通しだという。
警察は8日の声明で逮捕について謝罪はしなかったものの、勾留された活動家がデモに参加できなかったことに遺憾の意を示した。
6日にはリパブリックのグラハム・スミス代表も逮捕された。スミス氏は今回、ロンドン警視庁の警官3人が自宅を訪ねてきて謝罪し、逮捕時に押収した物品を返却したと明らかにした。
スミス氏はツイッターで「彼らはボディーカメラを装着した状態で謝罪した。私は謝罪を受け入れない考えを明確に伝えた。さらなる行動を取るつもりだ」としている。
ロンドン警視庁によると、6日の逮捕は論議を招いている新たな「公共秩序法」に基づく対応。同法は先週、チャールズ国王の署名を経て施行された。国王の同意は形式的な作業だが、戴冠式の数日前というタイミングが物議を醸していた。
新法では警察に対し、平和的なデモ参加者に従来よりも強い対応を取る権限を付与している。建物や道路に自らの体を固定する抗議戦術などが犯罪になったほか、警察は混乱が生じる前にデモを中止させる権限も付与された。