英国のチャールズ国王が戴冠、70年ぶりの式典
(CNN) 英ロンドンのウェストミンスター寺院で6日、チャールズ国王の戴冠(たいかん)式が行われた。70年ぶりに新たな英国の君主が王冠を頂いた。
英国国教会のジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教が、チャールズ国王の頭上に冠を被せた。戴冠式の式典の中で最も重要な場面だった。
国王の戴冠後、大主教は「神よ国王を守りたまえ」と唱えた。
この日、チャールズ国王とカミラ王妃は豪華な馬車でウェストミンスター寺院に向かった。
馬車が近づく中、英王室の高位メンバーが同寺院に到着。チャールズ国王のきょうだいのアン王女、エドワード王子、アンドルー王子のほか、次男のヘンリー王子も最初に会場入りした王室メンバーに名を連ねた。
ヘンリー王子の妻メーガン妃と夫妻の子どもたちは米国に残った。
一方、ウィリアム皇太子夫妻は、チャールズ国王の後に続く形でウェストミンスター寺院に入った。
戴冠式は英国国教会の典礼に従い、カンタベリー大主教らがチャールズ国王を新たな君主として紹介する「承認」の儀式から始まった。
続いてチャールズ国王は聖書に手を置き、神の法を守りながらグレートブリテン及び北アイルランド、英連邦諸国の国民を統治することを約束する「宣誓」を行った。
カンタベリー大主教が君主に聖なる油を塗る「塗油」の儀式は、戴冠式の中で最も神聖な部分と考えられており、1953年のエリザベス女王の戴冠式ではテレビ放送されなかった。今回も塗油の儀式は精巧な刺繍(ししゅう)が施された覆いの陰で行われた。
この後の「叙任」の儀式では、君主のための式服とストラ(司式の際に着用する細長いスカーフ)を身に着けたチャールズ国王に宝剣や腕輪、宝珠、王笏(おうしゃく)といった宝器が手渡された。
これらを手にしたチャールズ国王の頭上にカンタベリー大主教から王冠が被せられると、ファンファーレが鳴った。ウェストミンスター寺院の鐘の音も響き渡り、歴史的な瞬間を祝福した。