ワグネルのトップ、ロシア軍の旅団に憤り バフムートの戦域から「逃げた」

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ワグネルを率いるプリゴジン氏。ロシア軍の旅団が陣地を放棄したと怒りを露わにした

ワグネルを率いるプリゴジン氏。ロシア軍の旅団が陣地を放棄したと怒りを露わにした

(CNN) ロシアの民間軍事会社ワグネルを率いるエフゲニー・プリゴジン氏は、ロシア軍の旅団の1部隊に対し、ウクライナ東部の激戦地バフムートの前線に構えた陣地を放棄していると非難した。ウクライナ側が領域を制圧するのを許すことになるとしている。

プリゴジン氏がウクライナ侵攻の不首尾を巡ってロシア国防省を公然と批判することはこれまでも多々あったが、ロシア軍の部隊が戦闘から逃げ出し、ウクライナ軍の部隊に領域の奪還を許したと糾弾するのは今回が初めて。同氏はとりわけ要衝都市バフムートを制圧できていない状況について、ロシア軍とその指導部にたびたび軽蔑的な言葉を浴びせてきた。

プリゴジン氏によると、ロシア軍の第72旅団が「ものすごい勢いで戦場から逃げ出した」という。

同氏はロシアのメディアの質問に答え、バフムートでの戦況について、側面の部隊が欠けた結果ワグネルが包囲されるリスクが深刻化していると示唆。「現時点でバフムート市内にいるのはワグネルのみで、他の部隊は存在しない。市外にはロシア国防省だけがいて、ワグネルはいない状況だ」と説明した。

ワグネルの戦闘員を含むロシア軍は数カ月に及ぶ攻撃をバフムートに仕掛け、膨大な数の人員を犠牲にしながら作戦を遂行しているが、今なお市全体を掌握するには至っていない。同軍は10日にも周辺の戦闘で大きな損失を被った。

プリゴジン氏はまた、ロシア国防省が約束しただけの量の弾薬や武器をいまだに支給していないと主張。このままではウクライナ軍の方がワグネルを壊滅に追い込むだろうと訴えた。

さらにバフムートには「戦略的重要性がない」とも主張し、同市を制圧する意義について疑問を呈した。

一方、バフムート付近にいるというロシアの有力な軍事ブロガー、アナスタシア・カシェバロワ氏はテレグラムへの投稿で、現地のワグネルと第72旅団との間に連携が全くないと指摘した。ワグネルが旅団に連絡せず、一つの側面から後退して別の地域に戦力を振り向けた結果、旅団の防衛を支援する歩兵がいなくなったという。

往々にして旅団は自分たちの側面にどの部隊が配置されているのか把握しておらず、「全部隊が例外なく尊重する指令部は一つもない」という。その上で同氏は「前線での統率が全く取れていない。敵はそこに付け込んでいる」との見解を示した。

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