ダム決壊はロシアの仕業の「可能性大」、国際専門家調査

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決壊したウクライナ南部ヘルソン州のカホウカ・ダム/Maxar Technologies/Reuters

決壊したウクライナ南部ヘルソン州のカホウカ・ダム/Maxar Technologies/Reuters

(CNN) ウクライナ南部ヘルソン州のカホウカ・ダムの決壊で原因究明などに当たっていた国際的な法律専門家チームは18日までに、ロシア側の仕業による「可能性が高い」とする初期段階の調査結果を明らかにした。

チームは国際法律事務所「グロバール・ライツ・コンプライアンス」の所属で、ウクライナ検事総長室の調査作業を支援している。

これら専門家は最近の2日間、ダム決壊の影響を受けたヘルソン州の被災地なども訪問。ウクライナの検察当局者や国際刑事裁判所の代表者も同行した。

チームは今月6日に起きたダムの決壊は、「ダムの構造自体にとって重要な意味を持つ場所に爆発物が前もって仕掛けられていた可能性が高い」と結論づけた。

報道発表文で、証拠物件、地震感知のセンサーや最良の爆破専門家らとの話し合いなど活用出来るデータを総合的に分析すれば、決壊はダムの重要な場所に事前に隠されていた爆発物が主因だった可能性が強いことを示唆していると主張。

決壊はダム施設の貧弱な管理方法が原因とする見方は「可能性が低い」とし、それだけではあのような壊滅的な破壊の威力を説明出来ないとした。

チームはまた、同ダムがロシア軍に占領されていたことに注意を向け、爆破の実行役あるいはダム運用の監督業務担当者はダム施設への接近や現場の管理で相応の権限を必要としていただろうとも推測した。

今回調査に加わった英国人の弁護士は声明で、独自に集めた情報や確認などされた公開情報などを組み合わせれば、この段階ではロシア軍は意図的にダムを壊した可能性が高いことをうかがわせると断じた。

国際人道法の下ではダムは本質的に民間インフラと想定されていると指摘。カホウカ・ダム近くの住民は攻撃が差し迫っていることを警告されず、氾濫(はんらん)が起きた地域からの退避を試みていた際、砲撃も受けていたとその非道さを訴えた。

カホウカ・ダムの決壊は欧州では過去数十年間で最悪の産業災害あるいは環境災害の一つと受け止められている。村落全体の水没、農地を襲う洪水、停電に見舞われ飲み水を失った数万人規模の住民の苦境も伝えられている。

ロシアはダム決壊への関与を一切否定し、ウクライナ側の工作と非難しているが証拠は示していない。

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