カナダ最悪の森林火災、欧州にも煙が到達 北米で大気汚染続く
(CNN) カナダで続く記録的な森林火災の煙が大西洋を横断して26日、欧州西部に到達した。
例年6月~8月にかけてピークを迎えるカナダの森林火災シーズンは、まだ半ばにも至っていない。
カナダ省庁間森林火災センターの統計によると、今シーズンの消失面積は少なくとも756万3045ヘクタールに達し、1995年の710万5998ヘクタールを超えて史上最悪となった。
煙は6月上旬に米ニューヨーク市上空を覆い、英気象庁によると、現在は英国にまで到達している。
ただ、煙は対流圏上部を流れるジェット気流に乗って欧州に到達していることから、数週間前の米北東部のような大気汚染の深刻化にはつながらない見通し。
煙は今週の大半、欧州上空の大気の上層部に停滞すると予想されている。
カナダでは各地で森林火災が続いており、25日には少なくとも53件の火災が新たに発生した。
件数はアルバータ州が23件と最も多く、続いてオンタリオ、ケベックの両州が8件となっている。
26日には少なくとも27件の森林火災が新たに報告され、うち16件はブリティッシュコロンビア州で発生した。
記録的な森林火災は北米の大気質に影響を及ぼし続けている。カナダ環境省は23日、同国の多くの地域で煙による大気質の低下が続いているとして警戒を呼びかけた。首都オタワの大気汚染は25日、「高リスク」を表す10に到達したが、26日朝には緩和された。
米国立気象局によると、米国でもウィスコンシン、ミシガン、インディアナの各州が26日、大気汚染に注意を呼びかけた。