NZ首相、2機態勢の訪中に批判の声 環境への影響を指摘
香港(CNN) ニュージーランドのヒプキンス首相による中国訪問に、搭乗する政府専用機のほか、予備としてもう1機が送り込まれていることに対し、野党から批判の声が上がっている。
ヒプキンス氏は中国との貿易振興を目指し、30人規模の経済代表団を率いて中国を訪れている。
訪問には、要人らの移動に使われる空軍の専用機2機のうち1機が使われているが、もう1機がフィリピンの首都マニラに配置されて待機中。
首相府の報道官によると、歴代首相らの外遊で、専用機が故障して立ち往生したケースが続発したことから、念のために投入された。
同報道官は、任務の重要性や移動距離の長さ、代表団と同行記者団の人数を考慮して、予備は妥当との判断が下されたと説明した。
これに対して野党・国民党のラクソン党首は、環境面で問題があると批判。気候変動対策が課題となっている今、空っぽの機体を飛ばすことが賢明とは思えないと述べた。
右翼政党、ACT党のシーモア党首は26日、フェイスブックの公式ページで、予備の機体を同行させることで排出される温室効果ガスは、小型トラックで月までの距離を3回走るのと同じ量だと主張。空軍機の老朽化が激しいことを指摘し、2機目の飛行にかかるコストは無駄遣いだと書き込んだ。
報道官はCNNとのインタビューで、空軍機を使えば民間機をチャーターするよりはるかに低コストで済むと説明した。
現在使われている2機の専用機はボーイング757―200型。同報道官によれば、どちらも約30年前に製造されて寿命が近づいているため、2028~30年には入れ替えが予定されている。