ワグネル反乱、軍など事前察知の「兆候」 同調者も? 欧州情報機関
(CNN) 欧州の情報機関当局者は29日までに、ロシアの民間軍事企業「ワグネル」による最近の武装反乱について、ロシアの治安機関あるいはロシア軍がこの謀反の企てを事前に察知し、成功を欲していた可能性も示す「兆候」があったことを明らかにした。
CNNの取材に述べた。「企てを知っており、口外せず、成功を助けることを決心していたかもしれない」とし、「その兆候もいくらかある」と指摘。
「反乱発生でプーチン(大統領)の威信は損なわれた。ある勢力がそれを望んでいたとするなら、成就したことになる」とも推理した。ロシアで今後、反乱を受けた敵対分子らの追放が起きるのかどうかの臆測はしないが、混乱は間違いなくあるとし、激化さえしたとも述べた。
ウクライナ侵攻を担うロシア軍のスロビキン副司令官がワグネルの武装蜂起を事前に知っていたとする米紙ニューヨーク・タイムズの報道について同当局者は、「はっきりしない部分が多くある。単なる臆測となるかもしれない。時間が経過すれば(ワグネル創設者の)プリゴジン氏の動機が本当に何だったのかわかるだろう」ともした。
プリゴジン氏がベラルーシにいるのかどうかについては論評しなかった。ベラルーシのルカシェンコ大統領がプリゴジン氏を説得したとする反乱中止に伴う取引の内容の全てを知っているわけではないことを理由にした。
その上で、この取引内容はプリゴジン氏の存在感が強みをどの程度維持し得るのか見極められるものになるだろうとも分析した。
ワグネルの今回の反乱がウクライナの前線の展開にもたらすであろう影響については今後数日間で表出するものではないだろうとも予想。より長い期間で表面化する可能性があるとした。