ベトナム、テロ容疑で収監の豪活動家を釈放
ブリスベン(CNN) 2019年にベトナムでテロの疑いをかけられて逮捕され、禁錮12年の刑で収監されていたベトナム系オーストラリア人の民主活動家、チャウ・バン・カム氏(74)が釈放された。
オーストラリアのマールズ副首相は11日、カム氏が人道上の理由により、ベトナムとの友好精神の下で釈放されたと述べ、ベトナム政府に対してここ数カ月、慎重に働きかけてきた結果だと強調した。
国際人権NGO(非政府組織)アムネスティ・インターナショナル(AI)によると、カム氏は当時、ベトナムに入国して民主活動家の仲間と会った直後に拘束された。
AIによれば、裁判で当局が提示した唯一の裏付けは、同氏が米国に拠点を置く民主化組織、ベトナム革新党(ベトタン)のメンバーであることだけだった。
ベトナム政府は16年、ベトタンが武装メンバーを勧誘、訓練しているとしてテロ組織に指定し、非合法化していた。
オーストラリアのアルバニージー首相は先月、ベトナムとの国交樹立50周年を記念して同国を訪問。共産党指導者らと、カム氏を囚人交換で帰還させる可能性を協議したと述べていた。
カム氏の弁護士は11日、同氏の妻と2人の子どもたちが支援者や当局者らに感謝していると伝えた。
国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長、エレーン・ピアソン氏によると、ベトナムでは今も150人以上の政治囚が、カム氏と同じく平和的な言論を理由に収監されている。