米海軍の駆逐艦が南シナ海を航行、中国は反発
韓国・ソウル(CNN) 米海軍の駆逐艦が13日、南シナ海のパラセル(中国名:西沙)諸島付近を航行した。同諸島は中国やベトナムなどが領有権を主張しており、この地域の航行に課している制限に挑戦した格好だ。
日本を拠点とする米海軍第7艦隊の報道官によると、パラセル諸島海域での「航行の自由作戦」は今年に入って2回目。同海域での中国の「過度な海洋上の主張」に対抗したものとしては3回目という。
誘導ミサイル駆逐艦「ベンフォールド」による13日の作戦は、中国だけでなくベトナムと台湾をも刺激した。いずれも同諸島の領有権を主張しており、軍艦の航行では許可を取るよう求め、またこの地域を「無害通航」することを事前に通知するよう求めているからだと報道官は説明した。
パラセル諸島は南シナ海の北西部にある130の小さな珊瑚礁の島と岩礁の集合体だ。米中央情報局(CIA)の年次刊行物「CIAワールド・ファクトブック」によると、パラセル諸島に先住民はおらず、1400人規模の中国軍の駐屯地があるのみだ。
同諸島は50年近く中国の手中にあり、その間、人民解放軍(PLA)の軍事施設が置かれた。
中国人民解放軍南部戦区は、米国の駆逐艦に「領海」から出るよう警告したという。
「米軍の行動は中国の主権と安全を著しく侵害し、南シナ海の平和と安定をひどく損なうものだ。国際法と国際関係の規範に著しく違反した」と南部戦区の広報担当は声明で述べた。
一方、米海軍は「国際法のもとではすべての国の船舶(軍艦を含む)は領海を無害通航する権利を有している。無害通航のための認可や事前通告を一方的に課すのは違法だ」と指摘した。