ベトナム、ラオスなどで過去最高気温を記録 東南アジアで熱波が猛威
香港(CNN) 東南アジアの国々が先週末にかけ、軒並み最高気温の記録を更新した。同地域では数週間にわたる熱波が多くの人々を苦しめている。
ベトナムやラオス、タイの首都バンコクでは過去最高の気温を観測。高温がスモッグの季節と重なり、汚染レベルが跳ね上がる結果ともなっている。
科学者らは長い間、熱波が悪化する傾向にあると警告してきた。人間由来の気候危機の影響が加速していることが背景にあるとしている。
ベトナムでは6日、北部のトゥオンズオン県の気温が44.2度に達した。気候史家のマクシミリアーノ・エレラ氏によれば、これは同国観測史上の最高気温になる。
隣国ラオスのルアンパバーンでは6日に43.5度を記録。エレラ氏によれば、先月に記録したばかりの過去最高気温42.7度を上回ったという。
首都ビエンチャンも、この週末は史上最高気温となる42.5度に達した。
タイの首都バンコクでも、6日は観測史上最高の41度を記録した。
同市を含むタイの大部分では3月下旬以降、30度台後半から40度台前半の気温に見舞われている。
エレラ氏がタイ気象当局のデータを基に明らかにしたところによると4月半ば、北西部の都市タークが国内最初の45度超えを記録した。
4~5月は通常、南アジアや東南アジアで最も暑い時期となる。気温上昇の後、毎年訪れるモンスーンがもたらす雨で暑さはある程度和らぐ。
域内の気温は今後数日で平均近くに戻ると予想されるが、前例のない熱波は気候危機の激化に伴いますます一般化しつつある。
昨年の研究が断定したところによれば、39.4度以上の危険な熱波が起きる頻度は世紀の変わり目までに3~10倍に増えるとみられている。