ウクライナ、医療で大麻利用を合法化か 負傷兵の治療にも
(CNN) ウクライナ国会は16日までに、医療目的での大麻の使用を合法化する法案を可決した。国会でもう一度採決し、多数の支持を再び得られれば法律となる。
発効した場合、ロシア軍との戦闘で負傷したウクライナ軍兵士や重病を抱える患者への治療薬となる可能性もある。
ウクライナ国会では2年前、今回と似た法案の可決に失敗していた。議員幹部はSNS上で、ロシアの侵略への抗戦が新たな現実を出現させ、国会は今度は適切な対応を見せたと指摘した。
ウクライナ軍兵士たちも大麻使用の関連法規の変更を訴えていた。第47旅団に属する兵士はSNS上に変更を求める文章を載せ、南部戦線で対人機雷に襲われて重傷を負い、左足の切断を強いられた体験を記した。
痛み止めの薬が処方されたが、痛みを弱めるだけの効能しかなく、逆に心臓血管系、中枢神経系や内臓への悪影響があったとも説明。「医療で大麻を痛み止めの薬として使えば苦痛はかなり消え、体の器官などへの悪影響も同様に激減する」と主張した。
ウクライナ国会の公衆衛生委員会に所属する議員は、医療目的での大麻は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症した退役軍人にも利用し得るだろうとの見方を表明。地元テレビの番組で、この治療方法で恩恵を被る国民は約600万人に達するだろうとも述べた。
今回の法案の支持者たちは、法律として発効した場合、戦後のウクライナ復興に役目を果たす可能性も指摘している。ロシアが強制的に併合したウクライナ南部クリミア半島を逃れた元住民は、同国内で最も温暖な気候に恵まれている半島での大麻栽培に期待をかけている。
元住民は、ロシアからクリミア半島を奪還した後に大麻栽培は経済再建に一役買えるかもしれないとも見込んだ。