ロシア、黒海穀物合意を終了 国連が確認

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ウクライナからイスタンブールに到着したバルバドス船籍の船。穀物検査の準備をする船員=2022年10月11日/Yasin Akgul/AFP/Getty Images

ウクライナからイスタンブールに到着したバルバドス船籍の船。穀物検査の準備をする船員=2022年10月11日/Yasin Akgul/AFP/Getty Images

(CNN) 国連の当局者は17日、CNNに対し、トルコ・イスタンブールの国連事務所がロシアから「黒海穀物イニシアチブ」への参加停止を通知する書面を受領したと明らかにした。

この合意はウクライナ南部から国際市場に穀物の安全な輸出を確保するための取り決め。ロシア軍はウクライナへの全面侵攻後、同地域の港を封鎖し、世界の食糧危機が悪化する結果を招いていた。

この当局者によると、国連事務総長は「国際市場に向けたウクライナ、ロシア双方からの食糧と肥料の阻害されないアクセス」を確保するために取り組みを続けるという。

別の国連当局者はCNNに対し、国連はロシアの決定を最終的なものと捉え、ウクライナ産穀物の輸送は今後道路や鉄道といった陸路が重点になると語った。

ロシア政府は同日、合意は「終了」すると発表。トルコと国連が昨年7月に仲介して発効した合意だったが、現地時間の17日終わりに期限が切れる。

ウクライナ南部オデーサの穀物港に停泊するばら積み貨物船=4月10日/Bo Amstrup/Ritzau Scanpix/AFP/Getty Images
ウクライナ南部オデーサの穀物港に停泊するばら積み貨物船=4月10日/Bo Amstrup/Ritzau Scanpix/AFP/Getty Images

国連当局者は合意の終了で、飢餓に見舞われる低所得国での人的被害が避けられないと懸念を示した。

この合意ではウクライナ産の食糧3300万トン近くの輸出が可能となっていた。国連世界食糧計画(WFP)はこれまでアフガニスタンやエチオピア、ケニア、ソマリア、スーダン、イエメンなどの飢餓対策で72万5000トンを輸送していた。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は同日、「残念ながら黒海合意のロシアに関連する部分が履行されていない」ことが終了の理由だと説明。「ロシアの部分が完了次第、ロシア側はこの合意の履行に即座に復帰する」とも述べた。

記者団から同日のウクライナ南部クリミア半島とロシアを結ぶクリミア橋への攻撃が終了の要因かと問われると、それを否定した。

米国のブリンケン国務長官は先週、ロシアが穀物合意を「武器」に利用しようとしているとけん制していた。

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