英情報機関トップ、ロシア人に英国のためのスパイ活動を呼び掛け
(CNN) 英対外情報部(MI6)のムーア長官は19日、チェコの首都プラハで行った講演で、不満を持つロシア人に英国のためにスパイ活動を行うよう呼び掛けた。
ムーア氏は「良心と戦っている」ロシア人にプーチン政権に反対の立場を取るよう訴え、「MI6と秘密を共有する」機会を提示した。
ムーア氏は「自国の軍隊がウクライナの都市を破壊し、罪のない家族を家から追い出し、多くの子どもを誘拐しているのを目の当たりにして、密かにがく然としている多くのロシア人がいる」「彼らはつながりの深い国を自国の兵士が荒らすのを恐れながら見ている。同じスラブ民族の国を攻撃するプーチン氏の主張が偽りであることを心の中で知っている」と述べた。
また、ロシアの民間軍事会社ワグネルとつながりのあるアフリカの国々に対して、ワグネルを率いるエフゲニー・プリゴジン氏はプーチン氏を裏切ることができたのであれば、今度はアフリカ諸国を裏切るだろうと警告した。
「ロシアはアフリカ諸国の平和や安定に関心がないというのが真実だ」と指摘し、「コントロールして新たなロシア帝国主義で利用できる、複雑な問題を抱えた弱い国をロシアは必要としている」と述べた。
ワグネルが先月起こした反乱は、権力を掌握して23年になるプーチン氏にとって最も難しい事態となった。
ムーア氏のスパイ活動の呼び掛けについて、ロシア外務省のザハロワ報道官は、プーチン政権に不満を持ち、西側の情報機関のためにスパイ行為を行う誘惑に駆られている者は再考すべきだと釘を刺した。