ニジェールのクーデター指導者がマリ訪問、ワグネルに関心か
(CNN) アフリカ西部ニジェールの軍事クーデターで実権を握った将校の一人、サリフ・モディ将軍が2日、隣国マリを訪問した。マリ大統領府が伝えた。マリに駐留するロシアの民間軍事企業「ワグネル」に関心を示しているとの見方が強まっている。
マリ大統領府のフェイスブックに掲載された写真と声明によれば、マリ暫定政権のアシミ・ゴイタ大統領は2日、モディ氏とニジェール軍の代表団を出迎えた。モディ氏はマリ政府の協力に謝意を伝えたとされる。
マリには隣国ブルキナファソやニジェールとの国境付近で台頭したイスラム主義勢力を鎮圧する目的で、軍事政権が招いたワグネルの傭兵数百人が駐留している。
ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏は先週、ニジェールのクーデターに祝意を伝え、ワグネルはニジェールで起きているような状況も支援できる可能性があると語っていた。
米政府は、ワグネルがニジェールで新たな機会をうかがっている可能性があるとみて警戒を強めている。米国務省のマット・ミラー報道官は3日、「ワグネルが自らの利益のために、この状況に付け入ろうとしたとしても驚かない。これまでアフリカで自らの利益のために他の状況に付け入ろうとしてきたように」と述べた。
マリ大統領府はフェイスブックに写真と声明を投稿しマリ暫定政権のアシミ・ゴイタ大統領がニジェール軍代表団を出迎えたと発表した=2日/Mali Presidency
マリ大統領府の発表によると、モディ将軍は「一部の国が我が国への軍事介入を計画している中で、安全保障協力を強化する手段」を探るためにマリを訪れたと語った。
これに先立ち西アフリカ諸国経済共同体は7月30日、追放されたニジェールのモハメド・バズム大統領を1週間以内に復権させなければ、武力の行使も辞さないと警告していた。