7月の世界平均気温、1.5度上昇のラインに到達 欧州機関が報告

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暑さの中、除葉機で作業をする男性=7月24日、米アリゾナ州フェニックス/Mario Tama/Getty Images

暑さの中、除葉機で作業をする男性=7月24日、米アリゾナ州フェニックス/Mario Tama/Getty Images

(CNN) 先月の世界平均気温は、産業革命前と比べた上昇幅が1.5度のラインに到達したことが、欧州連合(EU)などの気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」の報告で明らかになった。

気候変動問題の研究者らは、産業革命前と比べた世界の気温上昇幅を1.5度以下に抑えるよう警告してきた。1.5度の転換点を超えると、異常気象や干ばつ、山火事、食料不足などの危険性が急激に高まるとされる。

C3Sが8日に発表した報告書によると、先月は世界各地で記録的な熱波や海水温の上昇が観測され、北半球の夏としては初めて上昇幅が約1.5度に達した。

C3Sの研究者によれば、気温上昇幅が一時的に1.5度を超えても、長期的な平均がこのラインを突破するとは限らないが、頻度や長さを監視する必要がある。昨年1年間の平均気温の上昇幅は約1.2度だった。

気候変動に関する米NPO「バークレー・アース」によると、月平均の上昇幅が1.5度以上となった例は過去に10回ある。最新の記録は今年3月で、ほかの9回もすべて冬か早春だった。

バークレー・アースの研究者は、暖冬に比べて夏の気温上昇は人々への影響が大きいと指摘する。

同研究者によると、今年の世界平均気温は観測史上最高となる見通しだが、年平均の上昇幅が1.5度に達する可能性は低い。年明けから現在までの平均はこのラインを下回っている。

ただしC3Sの研究者らは、今年は南米沖の海面水温が上昇する「エルニーニョ現象」の影響で、さらに記録的な高温が続く可能性を指摘。たとえ気候変動が加速せずに現在のペースで続いたとしても、異常気象などの影響は避けられないとして、温室効果ガス削減への努力を呼び掛けた。

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