北朝鮮の金総書記、軍総参謀長を解任 「戦争に備える」よう指示
韓国・ソウル(CNN) 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記は9日に開かれた中央軍事委員会の会合で軍指導部を入れ替え、朴寿日・朝鮮人民軍総参謀長を解任した。「戦争に備える」よう軍に求める場面もあった。
朝鮮中央通信(KCNA)が10日、報じた。総参謀長の後任には李永吉氏が任命された。
KCNAは他の有力指揮官の解任や転属、任命も行われたと報じたが、詳細には触れなかった。
北朝鮮は定期的に軍指導部を刷新しており、別の地位で再び日の目を見る幹部もいれば、表舞台から姿を消す幹部もいる。
李氏は昨年12月31日に軍ナンバー2のポストに就任したばかりで、同氏のキャリアはそうした浮き沈みを反映していると、専門家は指摘する。
韓国ソウルにある梨花女子大学のレイフエリック・イーズリー教授(国際学)は「李永吉氏は長年にわたり北朝鮮の軍事エリートの一角を占めており、トップに上り詰める前に浮き沈みを経験している。7年前には、人事刷新後に処刑説が流れたほどだ」と指摘した。
ソウル近郊の民間シンクタンク、世宗研究所の上級アナリストを務める張成昌氏は、軍の人員入れ替えの背後には様々な理由があり、必ずしも懲罰人事とは限らないと説明。「金正恩氏は幹部の職務遂行能力に応じて頻繁に昇格や降格、解任を行っている。責任を問う形で解任している可能性もあるが、懲罰との見方は適切ではない」としている。