パレスチナ人男性、イスラエル部隊に「後ろから撃たれ」重体 ヨルダン川西岸
エルサレム(CNN) パレスチナ自治区ヨルダン川西岸のナブルス近郊ベイタで21日、パレスチナ人男性が銃撃を受けて重体に陥った。目撃者の話と現場の映像から、丸腰の男性がイスラエル治安部隊に後ろから撃たれたことが分かった。
イスラエル国境警察によれば、ベイタでは当時、イスラエルの部隊が「手配中の容疑者」を追って急襲作戦を仕掛け、パレスチナ人住民との衝突が起きていた。容疑者は19日に西岸の町フワラで、イスラエル人の父子を射殺した人物とされる。
銃撃の現場を目撃したという男性によると、覆面のイスラエル部隊が複数の家を包囲し、これに気付いた住人らが家屋への攻撃を阻止しようと集まっていた。
そこへ大規模なイスラエル部隊が出動し、銃撃を始めた。1人の男性が足を撃たれ、救助に駆け付けた31歳の男性が後頭部を撃たれた。
CNNが入手した6秒間の映像には、路上でけが人が担架に乗せられる場面が映っている。白シャツ姿の男性が駆け寄ろうとしたところで銃声が響き、この男性は前方へ倒れた。反対側から撮影された別の映像では、数人のグループが倒れた男性を近くの車へ運ぼうとしている。
現地の赤新月社によると、ナブルス周辺の衝突ではこの男性を含め、8人が実弾を受けて負傷した。
イスラエル国境警察は、急襲作戦中に暴動が起き、治安部隊が投石などを受けて命の危険にさらされたために対抗手段を取ったと主張。暴動の激化を受けて、隊員らも実弾射撃などで応じたと説明した。
西岸では最近、イスラエル人を狙った襲撃とイスラエル側の急襲作戦が繰り返されている。主要都市ヘブロンの近郊ではこの日、イスラエル人の車が銃撃を受け、乗っていた女性が死亡、男性が負傷した。