ドイツ、98歳のナチス収容所元看守を起訴 殺人ほう助などで
ベルリン(CNN) ドイツ当局は1日、第2次世界大戦中のホロコースト(ユダヤ人大虐殺)で3300人以上の殺害をほう助・教唆したとして、ナチス・ドイツの強制収容所で看守だった男(98)を起訴したと明らかにした。
検察はドイツのプライバシー法に従い、男の名前を公表しなかった。
ドイツ西部ギーセンの検察によると、男は1943年から45年までザクセンハウゼン強制収容所で働いていた。「収容者数千人の冷酷かつ陰湿な殺人をほう助した」罪に問われている。
ザクセンハウゼンで働いていた当時は18歳未満だったため、少年裁判所で裁判にかけられる。少年法に従い、自宅に近いハナウで公判が行われる見通しだという。
男については昨年10月の精神医学評価で、一定の制限内であれば公判に耐えられる健康状態にあるとの結果が出ていた。
今も存命のナチス戦争犯罪人は非常に高齢になっており、彼らを裁くドイツの取り組みは時間との闘いとなっている。
昨年には、ザクセンハウゼン収容所の別の元看守(101)がホロコーストで3518人の殺害をほう助・教唆したとして有罪になり、禁錮5年を言い渡された。
ザクセンハウゼン収容所は受刑者によって建設され、1936年に開設された。同収容所に送り込まれた収容者約20万人のうち、約10万人がこの場所で亡くなったとみられている。
第2次世界大戦中、ナチスの強制収容所では推計600万人のユダヤ人が殺害された。少数民族ロマ人や反体制派、同性愛者、身体障害者や学習障害のある人も犠牲になった。