テロ容疑者が料理人に変装して脱走、空港や港湾でも遅れ 英ロンドン
(CNN) 英国でテロの罪に問われて裁判にかけられる予定だった男が6日、料理人に変装してロンドン市内の拘置所から脱走し、警察が捜索に全力を挙げている。この影響で、英国内の空港や港では保安検査が強化され、遅れが出るなどの混乱が広がった。
脱走したダニエル・アベド・カリフェ容疑者(21)は現地時間の6日午前8時ごろ、ロンドン南西部の拘置所から姿を消した。PAメディア通信によると、同容疑者は英陸軍の兵士で、軍の基地に偽の爆弾を仕掛けた罪に問われている。
テロ対策司令官が6日、ロンドン警視庁本部前で記者団に語ったところによると、カリフェ容疑者は「赤と白のズボンに白いTシャツ、茶色の靴という料理人の制服」姿だった。
PAメディア通信は同容疑者が配送用のバンにつかまって脱走したと伝えている。
警察は市民にも捜索への協力を呼びかけた。
現在はロンドンで集中的な捜査を行っているが、国境管理当局など国内のさまざまな機関とも連携し、出国された場合のリスクも見極めようとしていると警察は説明している。
今年1月に警察が発表した罪状によると、カリフェ容疑者は2021年8月、テロ行為の実行や実行準備に役立ちそうな情報を引き出した、あるいは引き出そうとしたとされる。
また、他人に危害を加えたり器物を損壊させたりする爆発物と思わせる物体を仕掛けた罪にも問われている。
警察が空港や港湾にも警戒を呼びかけた影響は各地に広がり、マンチェスター空港では保安検査が強化されて6日午後現在、最大30分の遅れが出ている。
ドーバー港も、出発便に対する保安検査が強化され、ある程度の遅れが出ていることを明らかにした。