モロッコでM6.8の地震、300人近く死亡
(CNN) 北アフリカのモロッコで8日夜、マグニチュード(M)6.8の地震が発生し、300人近くが死亡した。多くの住民が路上で夜を過ごすことを余儀なくされている。
米地質調査所(USGS)によると、モロッコを襲った地震としてはここ100年あまりで最も強いものとなる。
USGSによると、地震は現地時間午後11時すぎに発生。震源の深さは18.5キロと比較的浅かった。震源は人口約84万人の観光地マラケシュの南西約72キロで、高アトラス山脈の中に位置する。
モロッコ国営テレビの9日の報道によると、これまでに少なくとも296人が死亡、153人が負傷した。
モロッコ軍はX(旧ツイッター)に「余震の危険性があるため、用心して安全対策を取る必要性がある」と書き込んだ。
USGSによると、8日夜の地震はこの地域では異例の強さだった。「1900年以降、今回の地震から500キロ以内でM6以上の地震が起きた例はなく、M5以上の地震も9回しか起きていない」という。
USGSは「甚大な被害が起きる公算が大きく、惨事が広範囲に及ぶ可能性がある」と予想。この地域は「地震の揺れにぜい弱」な建物に住む人が多いとも指摘した。
国営テレビの映像には、震源付近で崩壊した建物が映っている/Al-Aoula
国営テレビの9日の映像には、震源付近で複数の建物が崩壊した様子が映っている。
地元住民がロイター通信に語ったところによると、マラケシュでは旧市街に密集する民家の一部が崩壊。人々は重機を待つ間、手作業でがれきを動かしているという。