中国の反体制活動家、台湾の空港にとどまり亡命希望 米国とカナダに呼び掛け
台北(CNN) 中国当局の締め付けが強まったとしてタイへ逃れた反体制活動家の陳思明氏が、22日から台湾の空港にとどまり、米国かカナダに亡命受け入れを求めている。
陳氏は2017年から毎年、天安門事件の記念日に追悼集会を開き、当局の処罰を受けたり拘束されたりしてきた。
特にここ2~3年、締め付けがさらに厳しくなった。警察から毎日電話があり、応答しないと自宅に押し掛けられた。出頭を求められることもあった。
本人がCNNに語ったところによると、7月に出頭した警察署で精神鑑定を受けるよう言い渡され、たまりかねて帰宅後すぐに衣類をまとめて出発。ラオス国境を越え、さらに8月にはメコン川を渡ってタイに入った。
タイでは国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の迅速審査で難民認定を受けたが、それでもタイ警察や移民当局に拘束される危険を感じて出国。中国・広州行きの便の乗り継ぎで桃園空港に到着し、そのままとどまっている。
陳氏はX(旧ツイッター)に投稿した動画で、「中国共産党の政治弾圧から逃れるため、今度は台湾に来た」と報告し、米国かカナダへの政治亡命を希望すると語った。
投稿後まもなく、台湾の移民当局と大陸委員会の事情聴取を受けたが、今も空港に滞在しているという。