化石燃料の世界需要、「2030年までにピーク」 IEA予想
ロンドン(CNN) 国際エネルギー機関(IEA)は26日、世界の石油、天然ガス、石炭の需要は2030年までにピークを越える可能性が高いとの見方を示した。
CO2(二酸化炭素)排出量を実質ゼロとする「ネットゼロ」に向けたシナリオの更新版で予想している。
IEAは「勇気づけられる」傾向だとする一方、産業革命前と比べた気温の上昇幅を1.5度に抑えるという目標には「到底不十分」だと指摘した。
ビロル事務局長は、目標実現のためには世界が急いで団結する必要があると強調した。
IEAによると、ネットゼロ・シナリオの報告書が21年に公表されてから、世界の太陽光発電能力は「記録的」な成長を遂げ、電気自動車は好調な売れ行きを見せてきた。どちらの業界も、50年までにネットゼロを実現する見通しだ。
また、30年までに必要とされる排出量削減の8割以上は、再生可能エネルギー源の拡大や電化の進展、エネルギー効率の向上、メタンガス排出削減によって達成可能だという。
一方で1.5度目標を実現するためには、クリーンエネルギーへの世界の年間投資額を30年代初めまでに倍増させ、すべての国がネットゼロの達成期限を前倒ししなければならない。CO2回収、有効利用、貯留の技術や水素ベースのエネルギー、バイオ燃料の開発も、30年までに急ピッチで進める必要があるという。