「軍はこれらを使って装甲車や戦車、敵の防御施設、要塞(ようさい)、弾薬庫を破壊する」という。
これこそ、グルーブや彼の部隊が行っていることに他ならない。
ドローンの暗視カメラを使って録画されCNNに提供された動画には、ロシアの複数の装甲車に向けて爆弾を投下する場面が映っている。ロシアの近代戦車「T90」を破壊した最近の攻撃の様子も確認できる。T90はウクライナに配備中の戦車の中では比較的新しく、性能も高度な部類に入る。
ドローン攻撃のペースが上がる中、他の部隊も戦場に加勢している。強力な火砲の音が響き渡り、米国から供与されたクラスター弾をロシアの陣地に次々と浴びせる。
グラート多連装ロケットシステムから発射された飛翔体(ひしょうたい)は、風切り音を立てて空を埋め尽くす。そこに迫撃砲部隊も加わり、フレアの助けを借りてロシア軍に狙いを定める。歩兵戦闘車は高速でロシアの前線に突入する。
まさに包括攻撃の様相だ。「フリント」のコールサインで知られるコード9.2の指揮官は司令部で取材に応じ、作戦の準備に何週間もかけたことを明らかにした。
「我々は1カ月以上にわたって準備を進めてきた」とフリント。そう語る間にも、部下がロシアの陣地に投下する弾薬を準備していた。
「これは連合攻撃だ」とフリントは付け加え、バフムート南郊への攻勢は最近の戦果を踏まえて立案されたものだと説明した。この地域ではウクライナがロシアの支配下にあった重要な領土を奪還することに成功している。