ウクライナ東部(CNN) 暗闇の中、ウクライナ兵2人が身を寄せ合ってドローン(無人機)の操縦装置をのぞき込んでいる。彼らの顔を照らすのはスクリーンの光だけだ。
「おお、何か燃えているな」と1人が口にする。2人は先ほどロシア軍の目標に向けて爆弾を投下したばかりだ。
この夜間攻撃はウクライナ東部の激戦地バフムート近郊における攻勢の一環で実施されたもので、CNNはその様子を単独取材した。
「まず我々がロシアの最前線をたたき、味方が敵に向けて前進する」。「グルーブ」のコールサインで知られるドローン操縦士の一人はそう語った。
ウクライナの地上部隊は西側の暗視装置を装備しており、夜間作戦で優位に立つ。ただ、ウクライナ軍の対地攻撃機は暗闇での運用には適していない。そこで出番となるのが、「コード9.2」の愛称を持つドローン部隊だ。
「これらのドローンは夜間でも日中のように見通すことができる」「歩兵部隊を見つけ、車両や火砲など破壊する必要があるものを全て攻撃する」(グルーブ)
彼らが使用しているのはウクライナ製の無人機「バンパイア」だ。バンパイアは6枚の回転翼を備えたヘキサコプターで、軍に戦場で使うテクノロジーを供給するデジタル変革省主導の取り組みの一環として、ウクライナ政府が調達した。
「各ドローンには夜間でも効果的に稼働できるよう、熱画像カメラが搭載されている。搭載可能重量は最大で15キロに上る」。ウクライナの副首相兼デジタル変革相を務めるミハイロ・フェドロフ氏は8月、バンパイア270機を前線に送る方針を発表した際、テレグラムの動画でそう語っていた。