EU外交トップ、パレスチナへの「集団的懲罰」は不当 イスラエルの自衛権認めるも
(CNN) 欧州連合(EU)の外相にあたるボレル外交安全保障上級代表は10日、イスラエルにはイスラム組織ハマスの攻撃から自国を守る権利はあるが、自衛権の行使は国際法に従わなければならないと述べた。
ボレル氏は、オマーンの首都マスカットで開催された外相会合後、「全てのパレスチナ人に対する集団的懲罰は不当で非生産的だ。それは、我々の利益にも平和の利益にも反する。パレスチナ人全員がテロリストというわけではない」と述べた。
ボレル氏は、EUはハマスをテロ組織とみなしており、パレスチナ自治政府が「我々のパートナーだ」と指摘した。
ボレル氏は「イスラエルには防衛する権利があるが、それは国際法、人道法にのっとって行われなければならず、一部の決定は国際法に反する」と述べた。
ボレル氏は、和平に向けたいかなる取り組みもパレスチナの人々とともに行われるべきであり、そうでなければ「暴力の連鎖が再び始まるだろう」と警告した。
ボレル氏は「我々の意思はパレスチナ自治政府を支援し続けることだ」と述べ、パレスチナ人に対する資金援助の停止をけん制した。
パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するハマスは自身について、イスラエルを国家として承認して和平交渉に何度も失敗しているパレスチナ自治政府の代わりとなる存在とみなしている。アッバス議長が率いるパレスチナ自治政府はヨルダン川西岸地区を治めている。