ロシア、ウクライナ東部アウジーイウカを攻撃 「激しい絶え間ない戦闘」
(CNN) ロシア軍がウクライナ東部の都市アウジーイウカに大規模攻撃を仕掛け、現地の戦闘が激しさを増していることが分かった。ただ、今のところロシア軍は大きな前進を遂げていない。
ウクライナの当局者やアナリストの話、位置情報を確認したSNS上の映像から明らかになった。
アウジーイウカ市の軍政トップ、ビタリー・バラバシュ氏は13日、ウクライナ国営テレビの取材に「4日間にわたって戦闘が続いている」と説明。「激しい闘いが本当に絶え間なく続いている。小火器による戦闘と砲撃戦の両方が行われている」と述べた。
バラバシュ氏によると、ロシアはウクライナの戦闘員を包囲するため「使用可能なあらゆる物を発射している」という。
「残念なことに、彼らは前線の集落だけでなく、遠く離れた後方の集落も攻撃している」「ロシア軍は正面攻撃ではなく、市の南と北からの側面攻撃に集中している。こうした形で包囲計画の実行を試みている」(バラバシュ氏)
SNS上の定評あるオープンソース情報関係のアカウントに公開された映像には、ロシア軍の複数の車両がウクライナ軍から、火砲や肩撃ち式ミサイル「ジャベリン」、ドローン(無人機)を使用した攻撃を受ける様子が映っている。
CNNはこうした動画の真偽や内容について独自に検証できなかった。ただ、ウクライナの当局者は、これまでロシア軍の攻勢をはね返しており、多数の車両を破壊したとしている。
バラバシュ氏は「非常に困難で緊迫した戦況だが、ウクライナ軍は4日間にわたって断固として陣地を堅持している」「彼らが持ちこたえるものと確信している」などと述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領も、自国の軍がロシア軍を食い止めていることを称賛。SNSテレグラムへの12日の投稿で「アウジーイウカ。我々は持ちこたえている」とし、「ウクライナの勇気と団結がこの戦争の終わり方を決めるだろう。我々は全員、この点を覚えておく必要がある」と表明した。
アウジーイウカはドネツク市の空港に非常に近い都市で、2014年からウクライナ軍とロシアを後ろ盾とする分離主義勢力の戦闘の前線となってきた。ここ8年の間に塹壕(ざんごう)が構築されており、ウクライナ、ロシア両軍とも難攻不落の拠点とみなしている。
一部のアナリストや当局者は、アウジーイウカをウクライナ南部マリウポリと比較し、たとえ包囲されても数週間はロシア軍を相手に持ちこたえられると示唆した。