ロシアの「核使用」、追い込んでいるのは米国 「ウクライナへの武器供与で」とベラルーシ大統領
(CNN) ベラルーシのルカシェンコ大統領は6日、ウクライナに武器を供与することで米国がロシアを核兵器の使用に踏み切る状況へと追い込んでいるとの認識を示した。
南西部ブレスト州にある軍の施設の視察中、ルカシェンコ氏は「あくまでも私見だが、米国人がロシア人を追い込んで、最も恐ろしい兵器を使わせようとしている印象を持っている。彼らはウォロディミル・オレクサンドロビチ・ゼレンスキーと彼の軍隊を武装し、長距離ミサイルを供与する。300キロ飛べるミサイルまで与えている」と語った。
その上で、もしそうしたミサイルがロシアの領土に撃ち込まれれば、ロシア政府は反撃せざるを得なくなると指摘。反撃は核兵器による極めて大規模なものになるとの見方を示唆した。
ルカシェンコ氏によれば、国同士の対立の激化はロシアに核の使用を促すが、米国人は自分たちの安全に不安を感じていないという。「なぜなら彼らは海の向こう側にいるからだ」
同氏の発言に先立ち、ロシアのプーチン大統領は5日、包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を撤回する可能性を示唆。翌日にはウォロジン下院議長が、次の会合で批准撤回の問題について間違いなく話し合うと明言した。
ルカシェンコ氏はまた、米議会によるウクライナ支援の今後の不透明感にも触れ、現状をウクライナに向けた合図だと指摘。「もたもたせずに反転攻勢の範囲を拡大し、より多くの若者を投入しろ」というメッセージを送っているとの見方を示した。
ルカシェンコ氏によれば、米国がウクライナに反転攻勢のペースを上げるよう求めるのは、ウクライナの戦場での勝利を利用してバイデン大統領の支持率を引き上げる狙いがあるためだという。
「政治的な状況から、この戦争はバイデン氏や米政権の権威を高めていない。彼(バイデン氏)は既にあらゆる世論調査で敗北している。彼には何らかの勝利が必要だ。勝つためには何かを提示してみせる必要がある」(ルカシェンコ氏)