ロシア軍、ベラルーシの部隊撤収 ウクライナ攻撃の兵力もはやなし
(CNN) ウクライナ国境警備隊当局者は9日までに、北方の隣国ベラルーシに配備され訓練など受けていたロシア軍の大半が他の地域へ移動し、ベラルーシからウクライナへ地上戦を仕掛けられるほどの十分な兵力の準備はもはやないとの見方を示した。
同隊の報道担当者が首都キーウでの会見で述べた。「(7日の)現段階でロシアは交代制で派遣していた部隊を含めほぼ全ての兵員をベラルーシから撤収させた」と述べた。「新たな部隊の到着もない」と述べた。
一部の中立的な軍事アナリストらは、ベラルーシにいた部隊はウクライナの北東部の前線へ送られたと説明。転戦の地は、北東部ハルキウ州クピャンスク市と東部ルハンスク州クレミンナ市の間ともした。
報道担当者は、ロシア軍は北部チェルニヒウ州、北東部スーミ州やハルキウ州へ頻繁に砲撃を浴びせていると指摘。これらの州はベラルーシの東部と接し、ウクライナとロシアの北部の国境線沿いに位置してもいる。
これら諸州で「敵側はウクライナ領への侵入を試みる破壊工作や偵察の要員集団を動かそうとしている」とし、「これら謀略の大半はスーミ州で起きている」と話した。
ウクライナは最近、北部の国境線の警備強化などを図る措置を発表。国境線近くで一部の活動を禁じてもいた。
ベラルーシは、ロシアによるウクライナ侵略に肩入れする国の一つ。侵攻では、ウクライナ領内に踏み込み、キーウの北部地域まで迫ったロシア軍部隊の出撃拠点ともなっていた。ウクライナとベラルーシの国境線は約1000キロに達する。