ハマス攻撃で死亡の外国人、出稼ぎのアジア系多く タイは24人
(CNN) タイ外務省は15日までに、イスラム組織「ハマス」によるイスラエルへの大規模攻撃に巻き込まれて死亡したタイ国民は24人に増えたと報告した。
負傷者は16人、ハマスが人質として連れ去ったのは16人に上るとみている。今回の攻撃でイスラエル内で亡くなった外国人労働者にはアジア地域の国民が多い。同国内の農業、建設や医療分野で働く出稼ぎ組が犠牲になったとみられる。
多くは母国の貧困層の出身で、出自的にはイスラエルやパレスチナと関係ない労働者とされている。
国際人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」のアジア担当幹部によると、イスラエルの農業関連分野では過去10年、主力の働き手はタイ人の労働者が占めている。
イスラエル全土にある様々な農場や砂漠地域で就労するタイ人は最多で2万人とし、イスラエル軍の空爆などにさらされるパレスチナ自治区ガザ地区に近い地域も含まれる。それだけに、「ハマス戦闘員が攻撃を仕掛けた際、多くのタイ人が負傷するリスクがあったことは驚きではない」とも述べた。
ハマスの攻撃を受けイスラエル内で死亡したり、行方不明になったりしている外国人はほかにも多い。
ロシアの侵略に抗戦を続けるウクライナの外務省報道担当者は、自国民の犠牲者は11人に増加したと報告。地元メディア「インタファクス・ウクライナ」は、行方不明者は9人いると報じた。
フランスのコロナ外相は13日、確認された国民の死亡者数は15人と発表。地元テレビ局の取材に、犠牲者数は身元確認の作業の曲折などもあり、流動的な段階にあるともつけ加えた。
ロシア国営のRIAノーボスチ通信によると、イスラエル内で消息がわからない自国民は少なくとも12人と報じた。在イスラエル大使館の情報として伝えた。
大使館はイスラエル当局からの説明に依拠し、亡くなった国民の人数は増え続けているとも明かし、必要な確認作業を進めているとした。ただ、死亡者の具体的な数には触れなかった。在イスラエルのロシア大使は先に、少なくとも2人の死亡が確認されたと述べていた。