中国軍機が太平洋上空で「危険行為」、米国防総省が動画と写真公開

（ＣＮＮ） 米国防総省のインド太平洋安全保障問題担当次官補が１７日、過去２年の間に東シナ海や南シナ海上空で、中国機の米機に対する「威圧的かつ危険」な行為が増大していると語った。

国防総省のイーライ・ラトナー次官補は「２０２１年秋以来、我々は１８０回以上、そうした事案に遭遇している」と指摘。その裏付けとして国防総省は、公海上空を飛行する米機が中国の戦闘機に妨害されたとする写真や動画を新たに公開した。

国防総省によると、２２年１月の動画は、公海上空で中国人民解放軍の戦闘機数機が米軍機に異常接近して「威嚇」しようとする様子をとらえている。一部は米軍機から約６メートルの距離にまで接近していた。

これについてラトナー次官補は、「合法的な米国の作戦活動を力ずくで変えさせようとする危険行為」と形容する。

８月１０日に撮影された写真には、中国人民解放軍の戦闘機が米機に接近した場面が写っている。中国機がわずか１５メートルほどの距離にまで接近し、米機の下でらせんを描くように旋回する「バレルロール」を行ったことから、米機は「防衛手順」の遂行を強いられたと国防総省は説明する。

米軍機の下約１５メートルの距離に高速で接近する人民解放軍の戦闘機/Office of the Secretary of Defense Public Affairs

中国機がフレアなどの物体や飛翔（ひしょう）体を放出する写真と動画も公開された。

米インド太平洋軍のジョン・アキリーノ司令官は１７日、「オースティン国防長官がこれまでに何度も述べた通り、（中国人民解放軍は）この行為を止めることが可能であり、止めなければならない」と強調した。