世界の難民・避難民、1億1400万人以上を記録 国連
(CNN) 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は25日、紛争などに巻き込まれ居住先を追われるなどした避難民や難民は今年上半期(1~6月)で1億1400万人以上に達したとみられるとの報告書を公表した。
パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織「ハマス」とイスラエルの軍事衝突が起きる前にまとめられた報告書となっている。
これら避難民らが発生した大きな誘因は、ウクライナ戦争に加え、アフリカ・スーダンやコンゴ民主共和国(旧ザイール)、ミャンマーでの武力衝突となっている。
アフリカ・ソマリアでの干ばつや洪水など気候変動に絡む災害やアフガニスタンでの人道危機も、この驚くべき避難民らの人数の増加要因になったと指摘した。
UNHCRのグランディ高等弁務官は声明で「世界の関心は現在、ガザでの人道上の惨事に当然ながら集まっている」としながらも、「多すぎる紛争が拡散かつ悪化し、罪もない人々の命を台無しにし、住む場所を奪われている」と嘆いた。
同事務所によると、居場所を失い国連が運用する退避施設に逃れたガザ住民の人数は約60万人。イスラエルが北部に住む住民に南部への移動を迫った後に急増する結果となっている。