「ガザの燃料備蓄は完全に枯渇」 国連支援機関代表
(CNN) 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ事務局長は2日、パレスチナ自治区ガザ地区の燃料備蓄は「完全に枯渇し」、ガザで最後まで続けられていた支援は「完全に崩壊した」と語った。
ラザリーニ氏は、燃料不足のためUNRWAは「数日内」に病院や給水所、パン屋に燃料を供給できなくなると説明。人道支援のためのトラックを運行させることもできなくなる可能性があるという。
CNNとのインタビューでラザリーニ氏は、ガザで入手できる他の燃料に目を向ける必要があると指摘した。
同氏は「業務用の燃料や、国際社会が発電所に供給するために運び入れた燃料もあった」と説明。この1週間、UNRWAは備蓄燃料を回収するために、衝突回避のチャンネルを通じてイスラエル当局者と作業を進めたという。
イスラエルが封鎖している同地区への人道支援について、ラザリーニ氏は物資を積んだ「わずか」なトラックがガザ入りを許可されているが、基本的には「封鎖で締め付けられている」事態を一変させるのに役立っていないと指摘した。
「ガザの人々がいかに国際社会の人道支援に完全に頼っているかを目にするのは非常に悲しい。人々が必要とするものを届けることはもはやできない」と話し、「飢えは怒りに変わっている」とも訴えた。
ガザを実効支配するイスラム組織ハマスが燃料を備蓄しているとの報道について、ラザリーニ氏は「私が言えることは、今現在、市民が必要としているものを誰も提供していないということだ。燃料に関しては、ハマスがガザでどのような軍備増強を図ってきたのか知る由もない」と語った。
イスラエル軍はハマスが軍事作戦のために多量の燃料を蓄えていると主張している。