イスラエル、ハマスと人質解放の取引に合意 4日間の停戦
(CNN) イスラエル政府によると、同国の内閣はパレスチナ自治区ガザ地区から人質少なくとも50人の解放を実現する取引を承認した。解放されるのは女性と子ども。この取引により、イスラエルとガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの戦争が先月始まってから初の継続的な停戦が実現するとみられる。紛争拡大を防ぐ大きな一歩にもなる可能性がある。
人質の解放と引き替えに、イスラエル側はガザ地区での空と地上での作戦を4日間停止する。イスラエル政府の声明には、国内の拘禁施設にいるパレスチナ人の解放への言及はない。
これとは別の22日の声明によれば、ハマスはイスラエルで拘束されているパレスチナ人150人が合意の一環として解放されることを明らかにした。今回解放されるのは18歳以下の女性と子ども。
政府の情報筋によると、今回の取引は閣議で圧倒的多数で承認された。
声明によると、4日間の停戦期間は延長される可能性もある。10人の人質解放が実現するごとに期間が1日延びるという。
ただ、今回の人質解放が終了すれば、再び「ハマスの撲滅の完遂」に向けた空と地上での作戦が始まる計画だとも声明には記されている。
イスラエル軍によると、ガザ地区の人質は239人で、26カ国からの外国人も含まれる。ハマスは先月7日、イスラエルとの境界を越えて約1200人を殺害した際に大量の人質を連れ去った。こうした攻撃は1948年のイスラエル建国以来で最大規模となった。
イスラエルはこれに対し、ガザ地区への食料や水、医薬品、燃料の供給を断つ封鎖を実施し、空と地上での激しい攻撃も加えて対抗。ガザ地区を差し迫った人道危機の状況に追い込んでいる。
これまで解放された人質はわずか。先月20日には、カタールとハマスの交渉により人道的理由から米国人2人が解放された。その後まもなく、イスラエル人女性2人も解放された。
非政府組織(NGO)「パレスチナ囚人クラブ」のトップによると、イスラエルの拘禁施設にいるパレスチナ人は約8300人。そのうち3000人あまりは、自分の罪状や進行中の法的手続きについて知らない「行政拘禁」と呼ばれる状態に置かれている。