タンカー救援の米軍艦付近に弾道ミサイル、イエメンのフーシ支配地域から
(CNN) 米軍によると、イエメン沖のアデン湾で26日、武装集団に襲撃されたタンカーの救援に駆け付けた米海軍の誘導ミサイル駆逐艦「メイソン」に向かって、イエメンの反政府武装組織フーシの支配地域からミサイルが発射された。
タンカーはリベリア船籍で英企業が運航し、リン酸を積んでいた。米中央軍の発表によると、26日に正体不明の集団に襲われたとして助けを求めた。
これを受けて、アデン湾とソマリア沖で海賊対処の多国籍作戦に参加していた複数の艦船が急行し、タンカーの解放を求めた。
タンカーを乗っ取ろうとした武装集団のメンバー5人は、小型ボートで逃走を図った。メイソンのチームが追跡し、メンバーは最終的に投降した。
米国防総省の報道官が27日の記者会見で語ったところによると、5人はソマリア人とみられ、現在メイソンに拘束されている。
それから約2時間後の27日未明、メイソンとタンカーから約10カイリ(約18.5キロ)のアデン湾上に、フーシ支配地域からの弾道ミサイル2発が着弾した。人的、物的被害はなかったという。
ミサイルの標的がメイソンやタンカーだったのかどうかについて、同報道官は明言を避けた。
フーシはイエメンで活動するイスラム教シーア派の政治、軍事組織で、サウジアラビアの支援を受ける勢力との間で内戦を繰り広げてきた。パレスチナ支持を表明し、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃に抗議するデモも主催している。
この地域では最近、フーシなどの親イラン組織がイスラエルや米国の関連施設を狙った攻撃を繰り返し、イスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突が周囲に拡大する事態も懸念されている。