介護施設で95歳女性にテーザー銃、警官を過失致死罪で訴追 オーストラリア
(CNN) オーストラリアの介護施設で入居者の女性(95)が警官にテーザー銃で撃たれて死亡した事件で、ニューサウスウェールズ州警察は29日、警官を過失致死の罪で訴追したと発表した。
認知症を患っていたクレア・ノーランドさんは今年5月にテーザー銃で撃たれ、病院に搬送されたが1週間後に死亡した。
警察は、入居者がナイフを持っているという介護職員からの通報を受けて同州クーマの老人ホームに駆け付けた。警察官のクリスティアン・ホワイト容疑者(33)は、ナイフを捨てるようノーランドさんに命じた後、テーザー銃を使用したとされる。
歩行器を使用していたノーランドさんは転倒して頭を打ち、頭蓋骨(ずがいこつ)を骨折した。
ホワイト容疑者は当初、傷害や暴行などの罪に問われて休職扱いとなっていた。
CNN提携局のスカイニュース・オーストラリアによると、介護施設の職員がノーランドさんの持っていた数本のナイフを手渡すよう説得を試みていたところ、ノーランドさんが1本を職員に向かって投げつけたという。
ホワイト容疑者ら警官や救急隊が駆けつけた時は、ノーランドさんはステーキナイフ1本を持ったまま部屋の中にいた。別の警官がナイフを取り上げようとしたが、ノーランドさんは歩行器で警官の方へ向かってきたとされる。
ホワイト容疑者はテーザー銃を抜いて作動させ、「クレア、やめろ、これを見ろ、テーザーだ、今すぐ捨てろ」と警告。ノーランドさんがナイフを持つ手を胸の高さまで上げたところで、ホワイト容疑者がテーザー銃で胸部を撃ち、ノーランドさんは歩行器をつかんだまま転倒して頭を打った。
ホワイト容疑者は12月6日に裁判所に出廷する。