イスラエルとハマスの交渉内幕、まもなく停戦終わる可能性も
ワシントン/ドバイ(CNN) イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスの停戦延長交渉は11月30日、期限切れ直前までもつれ込んだ。ハマスは数時間にわたり、停戦延長の条件となる女性と子ども計10人からなる解放予定の人質リストを提出しなかった。
停戦7日目への延長交渉で、イスラエルは最終的にハマスの提案を認めた。ハマスは30日にイスラエル人の人質8人しか解放せず、29日に解放したイスラエルとロシアの二重国籍者の人質2人を30日の解放人数に加える案をイスラエルが受け入れた。交渉に詳しい複数の情報筋がCNNに明らかにした。
イスラエルは当初、女性と子ども7人とイスラエルの爆撃で死亡したとハマスが主張する3人の遺体を引き渡すとの提案を拒絶した。ハマスはこれ以上女性や子どもの人質を見つけられないと主張し、この案を提案していた。
ハマスは結局、停戦期限の直前になって女性と子ども8人、前日に解放した二重国籍者2人の計10人のリストを提出し、イスラエルに認められた。交渉は流動的になっており、30日に解放される人質の数は変化する可能性がある。
停戦期間は1日単位で延長する段階に入っている。ハマスは24時間の停戦延長のために10人の人質解放リストの提出が必要となる。
交渉関係者は2日間の停戦延長期間に入る前、ハマスは停戦を8日目を超えて引き延ばすだけの女性や子どもの解放リストを提出できそうにないとの見方を示していた。生存する女性や子どもの解放が不可能になれば、イスラエルは今週末にも軍事作戦を再開するとみられる。
イスラエルは軍事的圧力が人質の解放につながったと主張している。一方、ハマスは民間人の男性やイスラエル軍兵士の解放を行う場合、よりよい条件を求める可能性が高い。先週の停戦合意では、解放される人質が女性と子どもに限定されていた。
イスラエルのネタニヤフ首相は停戦6日目の29日、「人質帰還の段階を最大化した後に戦闘に戻るのか。私の答えは明確で、イエスだ」と語った。
今後イスラエル軍の作戦が大量の住民が避難するガザ地区南部に移ると予想される中、バイデン米政権はイスラエルに対し、停戦前よりも慎重で精密な方法をとるように求めている。
ブリンケン国務長官は30日、訪問先のエルサレムでネタニヤフ氏と会談し、ガザ南部での軍事作戦の開始前に市民の保護措置がとられる必要性を強調した。ネタニヤフ氏はそれに同意し、イスラエル政府は具体的な方法を提示したという。
ただ、米国の要請が実際どの程度考慮されるのかは予断を許さない。
あるイスラエルの当局者は、停戦終了後のハマスへの圧力や、民間人への人道支援の必要性など、多くの分野で「イスラエルと米国の当局は緊密に対話をしている」と言及。イスラエルは「米国の見解に非常に注意深くなっている」状況だという。